夜の窓

内側から見えた景色、外から見える様子。 いろんな角度から日常を綴ります。

新居へ越して1年。改めて考える「買ってよかったもの」①

タイトル通り、現在の新居へ越して1年が経ちました。

そのときにすべての家具、収納ボックス、雑貨なんかを新しい部屋のインテリアに合うよう新調したのだけれど、一から揃えるのって、本当にお金がかかるのね。

例えば、無垢のテーブルセット買いました。そしたらそれに見劣りしないような食器棚が欲しくなって、二つ揃えると部屋の雰囲気がぐっと固まるから、それに合うような色味のキッチン用品を一通り揃えて望み通りのダイニングが完成。そしたらリビングも手を入れたくなって、そうだなー部屋の真ん中にあの雑誌で紹介されてたデザイナーズのソファを置いて、その下にはアクセントになる素敵なラグを、そしたら今度はソファテーブルも要るな・・・

って、そんなんやりだしたら切りないわ!!!一度に全部やったら破産するわ!!!泣泣

 

ということで、我が家では初めにインテリアにかける予算をある程度決めて、その中で「いかに安く、やぼったくない”しゅっとした”部屋にするか」という目標を立てました。思い起こせば去年の今頃、あらゆる雑誌やECショップのパトロールに余念がなかったなあ…懐かしい。

そんな情報収集の末に身銭を切り、1年経った今でも「買ってよかった」と思うおすすめ雑貨・家具もろもろを、ぼちぼちご紹介していけたらなと思っています。

個人的には、「長く使う家具は思い切って本当に欲しいものを買う」「それ以外は代替品でやり過ごす」が一番いいのかなと思っています。だから、ここで紹介するのは「とりあえず部屋のイメージを損なわないよう代替品で買ったけど意外に良かった品」というところでしょうか。

 

とりあえず、記念となる第1回はこちら。無印良品の収納用品シリーズ、トタンボックス・フタ式・大。

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サイズをそろえると綺麗

 

www.amazon.co.jp

 

我が家では、お茶やインスタントコーヒー、調味料のストック入れとして使ってます。

トタンは湿気にも汚れにも強く、少しお高めの無印収納ボックスラインの中でもお求めやすい価格なのもポイント!無印の公式アプリ上では一つにつき税込1590円でした。

 

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おひつ代わりにも

食器用洗剤でよく洗って完全に乾かせば、お米を入れるおひつとしても使えます。5キロぐらいは余裕で入る。持ち手が付いてるのもうれしい。

 

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水回りでも安心ということで、トイレにもこちらを。サニタリーや掃除道具なんかもまるごと入ります。中で区切れば使いやすい。

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画像左上。中が見えないのもうれしい

 

収納器具は用途ごとに使い分けるものですが、いろんなものを混ぜて使うのではなくある程度取り入れる種類を決めてしまうと部屋の統一感を図れてよいと思います。

うちでは、他にはダイソーのボックスとかも取り入れつつ3種類ぐらいで使い分けてます。

これだけで不思議とテンション上がるのでおすすめです。

 

こんな感じで週1ぐらいでゆるっと更新していきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

大人の食物アレルギーにご用心

「子供の頃は健康体だったのに、大人になってから急に体が弱くなった気がする」

そんな人は、実は結構多いのではないかと思う。かく言う私はその一人。27歳という年齢の割にはスタミナに欠けるし、雨に打たれた日には決まって風邪をひく。そんなだからか大事な日の前日に体調を崩すこともしばしばで、見かねた知人から先日「遅延性食物アレルギー検査」なるものを勧められた。

聞きなれない言葉だが、彼曰く、慢性的な不調の原因が実はフードアレルギーだったという事例は少なくないらしい。興味が沸いたので調べてみると、一般的に知られる食物アレルギーは抗原食物の摂取後すぐにじんましんや呼吸困難などの症状が現れる「即時型」なのに対し、「遅延型」は624時間と幅はあるものの発症までにそれなりの時間を要するという。その症状として腹痛、頭痛から不眠、慢性疲労や集中力の低下のほかにも冷え症、むくみなどが挙げられ、これ以外にも日常的に起こり得るあらゆる体の不調が遅延性食物アレルギーに起因している可能性があるというのだ。

しかもその特質ゆえ、自覚がないまま長年悩んでいる人も多いとのこと。私自身思い当たる節がいくつかあったので、何か手がかりになればと早速、市販されているアレルギー検査の採血キットを購入、取り寄せてみた。

www.ambrosia-kk.com

後日無事に採血を終えて、結果を待つこと2週間。送られてきたレポートは衝撃の内容であった。

本検査は、食物に対する免疫介在反応=食物アレルギーのついて血液中のIgGという抗体の反応を分析するもので、検査対象となる各食物の抗体レベルは棒グラフで表示される。反応クラスは「無反応」のレベル0から「極めて高い」レベル6までの7段階。全部で120項目ある食品群のうち、「卵黄」「卵白」の二つだけが突出して高いレベル5.5という驚きの結果が

なるほど。今までの治りの遅い風邪や原因不明の体調不良はそういうことだったのか・・・。少しでも早く元気になるために栄養のあるものを、との思いで食べていたのが「卵粥」とは何とも空しいが、大好物が悪の根源であったということが何よりショックだ。

断食ならぬ「断卵」。その効果はいかに

こうして、私の生まれて初めての卵抜きの生活が始まる。いざ忠実に守ろうとすると、実に様々な加工食品に卵が使われていることに驚かされた。だって、コンビニのしゃけおにぎりにも卵入っているんだぜ?(一部含む)うそだろ? あと、カップ麺全般。普段からよく食べてたわけではないが、ふと気になって成分表示を見てみるともれなく入っている。

「はいはい、どうせ入ってるんでしょ、ほらやっぱり」

 

それでも、徹底した卵抜きの生活を始めてから早くも3カ月が経とうとしているが、事実、以前のような体の不調は現時点では全く見られなくなった。

中でも一番の驚きが、身に覚えのない、何をしても一向に治る気配のない肌荒れ症状が一時よりずいぶん改善されたこと。女性は生理前になるとニキビに悩まされる方が少なくないが、私の場合はほぼ毎日そんな感じで、病院で薬を処方してもらっても全然追いつかない・・・というか治る気配がない(大事なことなので2回言いました)感じだったのが、アレルゲン食物の摂取をやめたとたん分かりやすく症状が緩和されたという。今でも完治には遠いけれど、これまでのあらゆる努力・出費は何だったんだと。

それから、必然的に高カロリーのものを避けることになった(ケーキ、ラーメン、菓子パン類は全部アウト)ので、当初から3キロ痩せた。周りからはやつれたねって言われたけどまあ良しとしよう。

 お悩みの方はお財布と相談して一度試してみるのもいいかもね

アレルギー疾患は、実に国民の約5割が罹患する国民病。まだ一般的とは言い難い遅延性アレルギーに関しても、体の不調を感じて検査を受けた人の約9割、不調を感じていない人でも約8割で陽性反応が出たという話もあるほど、いつ誰の身に降り掛かってもおかしくない問題だ。遅延性アレルギーの検査自体は、今回のように市販のものを取り寄せてすることもできるし、医療機関で検査を受けることもできるが、ここでネックとなるのは費用の問題である。

広く知られている食物アレルギーの血液検査はIgEという別の抗体の値を調べるもので保険適用となるが、IgG抗体に関係する遅延性アレルギー検査については保険がきかず、高額な費用を要する場合があるので注意が必要だ。詳細は前述のHPを見てもらえばわかるが、相場は3万円~4万円台とかなりのお値段である。

また、一部では「遅延性アレルギー検査で出る結果については医学的根拠がない」とする主張もあるようなので、ひとつの参考程度にとどめておくのが賢明だろう。

それでも、現代の食環境や日々のストレスなど誰もがリスクと隣り合わせなのが現代社会。肌荒れにしろ、体調不良にしろ、努力しているのに治らない症状のある人は、一度ダメもとで試してみるのもいいかもしれない。

大阪建築「大阪木材仲買会館」

「環境資源の活用」や「自然との共生」といったテーマを盛り込んだ新たな都市景観の創造において、ここ数年、木造建築が熱い。高度経済成長の熱気が落ち着いて久しいこの頃、原点回帰というのだろうか。東京五輪に向けた新国立競技場の隈研吾案にみてもわかるように、卓越した木造建築技術を有する日本から世界へ「木」の魅力が発信され大きな注目を集めている。しかし、耐火などの観点から都市部で大型の木造建築物を目にすることはまだまだ少なく、今回紹介する大阪木材仲買会館は貴重なそのうちの一つ。木材問屋が軒を連ねる南堀江の一角に姿を現すそれは、地上3階、建築面積453㎡にも及ぶ日本初の耐火木造オフィスビルだ。

外廊に張り出した大きな庇は日本家屋の縁側のような雰囲気を醸し出し、さらに構造材の「木」をそのまま生かすことで得られる美しい木目や上品な佇まいは、まさに「木の殿堂」の名にふさわしい。「“木”の殿堂」、「“石”の殿堂」という表現は著名な建造物を表す言葉としてしばしば用いられるが、自然の産物だけが持つこれら素材の底力のようなものにはどのような人智も及ばないのかもしれない。当館は、ふとそんなことを考えさせる身近な建物だと思う。

 

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初見の感想は「こんなところにこんな建物があったとは!」

◆所在地:大阪市西区南堀江4丁目1810

◆竣工年:2013年(平成25年)

◆同年の出来事:滝川クリステルの「お・も・て・な・し」が流行語大賞受賞

大阪建築「梅田吸気塔」

鉄の板を継ぎ接ぎしたようななだらかな壁面に巨大植物を思わせる独特のフォルムが特徴の、梅田のど真ん中に突如現れる謎の建造物。単体で見るとダイナミックな印象を受けるが実際は林立する高層ビルに埋没し、周囲の景観とミスマッチな異質な物体として息をひそめている。阪神百貨店の大改装を機に周囲が開け、以前に比べると大分人目に付くようになったが、それまではわざわざ足を止める人など滅多にいなかったほどである。何となく存在は知りつつも、詳しいことは分からない・・・そんな不思議な鉄柱は、実は、梅田地下街・ホワイティうめだの換気設備であるということをご存じだろうか。

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エリンギのように見える

日本を代表する近代建築家・村野藤吾氏設計の梅田吸気塔は、昭和38年竣工。ただの公共設備にこれほどの意匠を凝らすことが当時どれほど突拍子もないことだったのかは想像に難くない。全国各地に作品を遺す村野氏の作風は多岐にわたるが、この有機性を表現する壁面加工や曲線の用い方はまさしく同氏の得意分野で、無機質な中にも生命力を感じさせる佇まいこそいちばんの魅力であると私は思う。

ファンの中では有名な話であるが、手塚治虫の『ブラックジャック』の物語中で、足の不自由な少年が広島から歩きたどり着いた大阪の地として梅田吸気塔が登場している。阪急ユーザーでありSF漫画の第一人者あった彼の目に、当時これがどう映ったのか。今となっては想像するしかできないが、それもまた街歩きの醍醐味だろう。

 

◆所在地:大阪市北区曽根崎2-16

◆建築年:1963年(昭和38年)

◆同年の出来事:梅田地下街 第1期開業

大阪建築探訪「難波橋」

 

通称「ライオン橋」として親しまれていることからもわかるように、難波橋の一番の見どころは親柱に鎮座する4基のライオン像。

 

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狛犬と同じ「阿吽」を象っているのが特徴だが、写真とは反対側にある2基は頭上を走る阪神高速が雨風をしのぐ屋根となるからか、そちらのほうが彫りが深い。京阪・北浜駅2番出口で出迎えるライオンを見慣れている身としては、改めて見るその横顔に少し新鮮な思いがしたが、私にとってのライオンはやっぱり彼の方だ。

 

建設当時、市内にある橋のほとんどは地元商人の手で作られた町橋だった一方で、難波橋は数少ない公儀橋であった。

欄干に埋め込まれた市章の澪標(みおつくし)からも、そのことが読み取れよう。 

ちなみに、大阪弁では「なんにゃばし」と発音する(らしい)。

 

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夜のとばりが降りる頃。

橋の上では帰路を急ぐ人々や宴席に華やぐ人の往来が始まり、辺りは俄かに活気付く。

川辺特有の水分を多く含んだ風が時折強く吹き、道路灯がオレンジに色付き始めると瞬く間に空気中の青みがどんどん濃くなる。

その間にも街明かりは数を増し、陽がとっぷり落ちてからようやく橋上灯が点灯するのだが、この時間だけに見られる、滲んだり煌めいたりする難波橋一帯の光景が個人的に気に入っている。

そんな刹那の美しい時間には美しい名前があり、「ブルー・アワー」と呼ばれるそうだ。

 

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かつて、「浪花の三大橋」とも称された難波橋は、遠景に生駒山を望む風光明媚な行楽地として、月見の舟遊びや夕涼み客で大いに賑わっていたという。

橋の上から暮れなずむ街を眺めていると、この地の不思議な時間の流れ方はきっと昔も今も変わらないのだろうなと思う。

 

◆所在地 大阪市北区中之島1~中央区北浜1建築年  

◆大正4年(1915年)

◆同年の出来事 早川徳次シャープペンシルを発明

 

 

SNSの利用者心理と自己実現。「ネット浦島太郎」だった私がブログを始めた理由

このブログの1回目の投稿、つまり今日(昨日?)の夜中まで、

私は過去5年以上にわたって、個別の連絡をとる以外でのSNS利用を断っていた。

 

それはなぜか。

 

陳腐な理由ではあるが、他人の現況や充実した暮らしぶりを見て一喜一憂する自分につかれてしまったからだ。

インスタグラムをはじめとする多くの写真投稿型SNSは、言うまでもなくその人の交友関係や生活を如実に映す。

 

結婚報告に出産報告、手の込んだお洒落な食卓など、巧みに彩られた他人の「日常」がひっきりなしに目に飛び込んでくる。

 あるとき、それらを見ている自分の心に少しずつ陰りが出てきたことに気づいた。

 

その気持ちの根底にあるのは嫉妬か、羨望か。

 あるいは、写真からにじみ出る「自己顕示欲」を冷ややかな目で見てしまう自分の器の小ささに対する自己嫌悪かもしれない。

 

 

そんななか、もやもやとした気持ちを抱えるぐらいならいっそのことやめてしまおうとなり、いったん手放してみると気楽なもので、あっという間に5年が経った。

 

もちろんその間、人との交流がゼロだったわけでもない。

仲の良い友達とは定期的に遊ぶし、生活は「SNS断ち」以前となんら変わるものはなかった。

 

SNSの利用者心理について客観的に考えてみる

 

そもそも、SNSが今こうして爆発的に普及している理由としては、ネット環境の飛躍的な発達、そして「スマホ」という情報発信ツールが「一人に1台」という確固たる地位にまで上り詰めたことが一番の理由だろう。

しかも、もれなくカメラ付きというチートである。

 

パソコンの時には言っても家庭に一つとか二つだったものが、今や一人1台が当たり前で、電車の中でも、家を出る5分前でも、お風呂の中でも、あらゆる情報を受発信できるようになったのだからこれは、改めて考えるとなかなか大きな発展だ。

 

以上がハード面の理由だとしたら、ソフト面の理由は以下のことが考えられる。

 

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱する「マズローの欲求5段階説」によると、人間の欲求はピラミッドのように5段階で構成されており、低階層の食欲・睡眠欲などの「生理的欲求」や、集団への帰属を求める「社会的欲求」が満たされると、より高次の欲求を欲するようになるのだとか。

 

commons.wikimedia.org

 

その、次なる高次の欲求は、

 

「他者から認められたい」

「尊敬されたい」

「注目を集めたい」

 

というもの。つまり「承認欲求」である。

 

これが満たされると最終的に芽生える、欲求のピラミッドの頂上が

「自分の能力を生かして創造的な活動がしたい」という「自己実現欲求」なのだ。

 

 

以上のことから考えると、youtuberの存在や、「インス〇映え~」なんかはまさに好例といえるのではないだろうか。

 

十分な生活水準の中で暮らし、あらゆる情報発信手段を手にした現代人が、さらに高次の満足を求めるのは、きわめて自然なことなのだ。

 

 

人間の基本欲求を自分の仕事内で実現できる人はほんの一握り

 

私は、もともと、やたらと自己顕示欲の高い人間が苦手だ。

これだけ個人の情報発信力が社会的に認められている現代においても、やっぱり一部のyoutuberや、本来の性質や価値をぶっ飛ばして審美的価値、いわゆる「インス〇映え~」にしか興味のない頭すっからかん野郎には正直虫唾が走る。

 

でも、「私、こんなのが好きなんだ!」とか「俺の隠れた才能みてみろよ!」と思ったところで、それを世間に一般公開できるだけの職種、あるいは立場にある人って、たぶんほとんどいない。

 

そこでネットだ。

 

ネットの一個人レベルまでの普及により、他人評価を得る間口が飛躍的に広がったことで、自己の尊厳を満たしたり、自身のスキルを新たなビジネスチャンスにつなげることができるのがこの2019年。誰しもが表現者になりうる時代。

 

これまでの私のSNSアレルギーは単なる主観としての「好き嫌い」問題だし、いまやむしろ私のような人種の方が社会的にダサい。たぶん。いや、絶対。

 

みんな、上記の事情や目に付く輩の存在も全部まるっと許容したうえで、

「ひとのおすすめするものはやっぱりいいよね」

「幸せなひとを見てると自分も幸せになる」

という口コミの圧倒的バリュー、あるいはプラスの共感に重きを置いて生きているのに、このままでは私は現状維持、いや、退化の一途をたどるに違いない・・・!

 

これでも私も、一端の物書きみたいなことをやっているのだが、

世の中の大多数の人がそうであるように、私自身、書きたいテーマだけ書いていられる環境ではない。やりたいことだってたくさんある。でも、現実そうはいかない。だってそういう社会なんですもの。

 

だから私も、誰が見てくれているかわからないネット宇宙のはじっこで、

ぽつぽつ文章を生産していこうかなと思うようになったわけです。

 

そんな、ひねくれで、口下手なくせに言いたいことだけは山ほどある

こんな私「紙」ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

『フィンランド陶芸、マリメッコ・スピリッツ』レポート。初日観覧して思ったこと

 

 

 

大阪市中之島

 

赤と白の辰野式建築が美しい中央公会堂のはす向かいにある

大阪市立東洋陶磁美術館で7/13~10/14開催の特別展

 

マリメッコ・スピリッツ ~フィンランド・ミーツ・ジャパン~

 

と、同時開催(こちらがお目当て!!!

フィンランド陶芸 ~芸術家たちのユートピア

 

へ、初日参戦してまいりました!

 

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www.moco.or.jp

 

 

本展では全室写真撮影OKということでしたが、最近はそういうの増えてきましたね。

 

さすがに絵画といった展示会ではNGがほとんどですが、立体作品の近代アートや絵本など、写真撮影により作品の権利が侵害され得ないようなものについてはOKというところでしょうか。

ちなみに、当館に問い合わせたところ、個人利用であればSNS掲載可とのことでした!

やったね!!

 

個人的には、写真撮りながらじっくり作品を同時進行で見ることは難しい。

 

例えるなら、

花火見ながら写真撮ってたら結局全然本物を楽しめなかったし、あとで写真を見返してもしょーもない映りのばっかり・・・

こんなことならしっかり現物を目に焼き付けておくべきだった・・・!!

 

的な。

 

と言いつつも、お気に入りの作品はちゃっかりスマホに納めましたとも。

ええ。

 

なかでも、序盤に展示されていたアラビア製陶所のミハエル・シルキン作の森の動物シリーズがとってもかわいかったです。

 

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最低限の装飾と、簡略化された造作のラインで動物持ち前の温かさや表情を表現していて、釉薬の使い方ひとつでこんなにも作風に幅が出るのだなと感動しました!

リサラーソンの動物園シリーズとかがお好きな方は絶対お好みだと思う。

 

 

他には、アラビアの菫の飾皿の、初期作品。

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これがまた、菫の深みある青と黒の花弁と、背景の深緑のコントラストがいい味出してたんだよな~

釉薬がぬれたように光ってて、それが立体的な模様に陰影をつけてて。

あれ見ちゃうと、どんなにすてきな市販のお皿も、見劣りするぐらいすばらしかったです!!

(といいつつミュージアムショップで市販品を売っているのを見るとどうしても欲しくなり、粘りに粘って買わなかったのはここだけの秘密)

 

他にも陶板作品とか壺とか、フィンランドらしい、女性的な色彩の作品がたくさんあって、最後まで見飽きることなく楽しめました!

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ただ、写真OKとなると気になるのはやっぱりシャッター音・・・

 

皆さん、粋な美術ツーリストなら無音カメラは必須です!

 

あと、今回のような、言葉を選ばす言うなら敷居の低い展示会では私語がわりとストレスです・・・

 

しーーーーーんとした中で見るのがお好きな方は、そのあたりあまり期待せずに行くのが良いかと思います。

有料音声ガイドもあるようなので、一人の世界で作品を楽しみたい方は、そちらのご利用がおすすめかも。

 

 

あと、同時開催していたマリメッコ展ですが、

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正直、先週訪れた京都の細見美術館でのシルクスクリーン印刷の一つ一つ手作りだという、とても美しい絵本を見た後なのでそれほどの感動は得られませんでした。

 

www.emuseum.or.jp

 

テキスタイルそのものというか、「デザイン」とか「パターン」が価値みたいなところありますからね。

 

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フラッグシップ店でもこれぐらい見られそうってかんじでした。

 

でも、原案の展示や作家さんのお仕事ノートとかの展示は面白かった!

作り手の声とか作画とか、どうせなら世の中に一つしかないものを見たい。

 

 

それから、最後になりましたが、東洋磁器美術館は、常設展示がすばらしいです。

国宝とか重要文化財てんこもりです。

 

館蔵品は「安宅コレクション」の中国・韓国陶磁を中心に、「李秉昌(イ・ビョンチャン)コレクション」の韓国陶磁、濱田庄司作品などの寄贈や、日本陶磁の収集などにより、東洋陶磁のコレクションとして世界第一級の質と量を誇っています。
このなかには、2点の国宝と13点の重要文化財が含まれています。
また、ペルシア陶器、鼻煙壺など関連分野のコレクションの寄贈によっても館蔵品の充実が進んでいます。
展示では、代表的な作品約300点によって中国、韓国、日本の陶磁などを独自の構成と方法により系統的に紹介しています。
年1~2回の企画展、特別展では専門的なテーマのもとに、学術的水準と芸術性の高さを保ちながら、魅力ある内容の展示をめざしています。

 

 

あ~これ家に欲しいな~

とか、身の程知らずにも思ったものがまさかの国宝だったり、身の程知らずのさらに上をゆくという、そうそうできない体験をすることもできました。

(飛青磁花生かわいい!バチバチの国宝だよ)

 

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河井寛次郎とかバーナードリーチ好きの琴線に触れそうな作品も多々あり、民芸好きさんにもぜひ足を運んでいただきたい、すてきな展示会でした。

 

公式HPに割引券があるので、行かれる方は事前に要チェック!

ページ一番下にあるよ。

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

http://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=529