夜の窓

内側から見えた景色、外から見える様子。 いろんな角度から日常を綴ります。

大人の食物アレルギーにご用心

「子供の頃は健康体だったのに、大人になってから急に体が弱くなった気がする」

そんな人は、実は結構多いのではないかと思う。かく言う私はその一人。27歳という年齢の割にはスタミナに欠けるし、雨に打たれた日には決まって風邪をひく。そんなだからか大事な日の前日に体調を崩すこともしばしばで、見かねた知人から先日「遅延性食物アレルギー検査」なるものを勧められた。

聞きなれない言葉だが、彼曰く、慢性的な不調の原因が実はフードアレルギーだったという事例は少なくないらしい。興味が沸いたので調べてみると、一般的に知られる食物アレルギーは抗原食物の摂取後すぐにじんましんや呼吸困難などの症状が現れる「即時型」なのに対し、「遅延型」は624時間と幅はあるものの発症までにそれなりの時間を要するという。その症状として腹痛、頭痛から不眠、慢性疲労や集中力の低下のほかにも冷え症、むくみなどが挙げられ、これ以外にも日常的に起こり得るあらゆる体の不調が遅延性食物アレルギーに起因している可能性があるというのだ。

しかもその特質ゆえ、自覚がないまま長年悩んでいる人も多いとのこと。私自身思い当たる節がいくつかあったので、何か手がかりになればと早速、市販されているアレルギー検査の採血キットを購入、取り寄せてみた。

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後日無事に採血を終えて、結果を待つこと2週間。送られてきたレポートは衝撃の内容であった。

本検査は、食物に対する免疫介在反応=食物アレルギーのついて血液中のIgGという抗体の反応を分析するもので、検査対象となる各食物の抗体レベルは棒グラフで表示される。反応クラスは「無反応」のレベル0から「極めて高い」レベル6までの7段階。全部で120項目ある食品群のうち、「卵黄」「卵白」の二つだけが突出して高いレベル5.5という驚きの結果が

なるほど。今までの治りの遅い風邪や原因不明の体調不良はそういうことだったのか・・・。少しでも早く元気になるために栄養のあるものを、との思いで食べていたのが「卵粥」とは何とも空しいが、大好物が悪の根源であったということが何よりショックだ。

断食ならぬ「断卵」。その効果はいかに

こうして、私の生まれて初めての卵抜きの生活が始まる。いざ忠実に守ろうとすると、実に様々な加工食品に卵が使われていることに驚かされた。だって、コンビニのしゃけおにぎりにも卵入っているんだぜ?(一部含む)うそだろ? あと、カップ麺全般。普段からよく食べてたわけではないが、ふと気になって成分表示を見てみるともれなく入っている。

「はいはい、どうせ入ってるんでしょ、ほらやっぱり」

 

それでも、徹底した卵抜きの生活を始めてから早くも3カ月が経とうとしているが、事実、以前のような体の不調は現時点では全く見られなくなった。

中でも一番の驚きが、身に覚えのない、何をしても一向に治る気配のない肌荒れ症状が一時よりずいぶん改善されたこと。女性は生理前になるとニキビに悩まされる方が少なくないが、私の場合はほぼ毎日そんな感じで、病院で薬を処方してもらっても全然追いつかない・・・というか治る気配がない(大事なことなので2回言いました)感じだったのが、アレルゲン食物の摂取をやめたとたん分かりやすく症状が緩和されたという。今でも完治には遠いけれど、これまでのあらゆる努力・出費は何だったんだと。

それから、必然的に高カロリーのものを避けることになった(ケーキ、ラーメン、菓子パン類は全部アウト)ので、当初から3キロ痩せた。周りからはやつれたねって言われたけどまあ良しとしよう。

 お悩みの方はお財布と相談して一度試してみるのもいいかもね

アレルギー疾患は、実に国民の約5割が罹患する国民病。まだ一般的とは言い難い遅延性アレルギーに関しても、体の不調を感じて検査を受けた人の約9割、不調を感じていない人でも約8割で陽性反応が出たという話もあるほど、いつ誰の身に降り掛かってもおかしくない問題だ。遅延性アレルギーの検査自体は、今回のように市販のものを取り寄せてすることもできるし、医療機関で検査を受けることもできるが、ここでネックとなるのは費用の問題である。

広く知られている食物アレルギーの血液検査はIgEという別の抗体の値を調べるもので保険適用となるが、IgG抗体に関係する遅延性アレルギー検査については保険がきかず、高額な費用を要する場合があるので注意が必要だ。詳細は前述のHPを見てもらえばわかるが、相場は3万円~4万円台とかなりのお値段である。

また、一部では「遅延性アレルギー検査で出る結果については医学的根拠がない」とする主張もあるようなので、ひとつの参考程度にとどめておくのが賢明だろう。

それでも、現代の食環境や日々のストレスなど誰もがリスクと隣り合わせなのが現代社会。肌荒れにしろ、体調不良にしろ、努力しているのに治らない症状のある人は、一度ダメもとで試してみるのもいいかもしれない。